Wine is music

ワインとは音楽である。




ワインに興味を持って、少しだけ踏み込んだ人はよく耳にする言葉ではないでしょうか。







「私にとって1本のワインは交響曲であり、


 1杯のグラスワインはメロディのようなものだ。」







有名なフィリップ・ド・ロートシルト男爵の言葉。


ワインの楽しみ方の秘訣の1つではないでしょうか。










またとあるブルゴーニュの生産者は言っていました。



「土地の個性ではなく、消費者の嗜好に合わせたワインを造る事は、


 オーケストラではなく、観客の方を向いて指揮をするようなもの。」


(どうゆうことか興味がある方は、お近くのソムリエまでお尋ねください)










数年前にニコラ・ジョリーのク―レ・ド・セランを飲んだ事があります。



たまたま机の引き出しの奥のすみっこから、


ク―レ・ド・セランのコルクが転がってきたので思い出しました。




ヴィンテージは2005年。



勉強の為に購入し、収穫からちょうど4年後に家飲み。




ワイングラスの中に様々な香りや味わいが見つかる、とても複雑で力強い印象。



インパクトがあり、変化が楽しめる、まさしく偉大なワイン。





そう満足して、けれどもこのワインは長く日持ちすると聞いていたので、


グラスにワインを少しだけ残し、後は全部飲み干しました。






次の日の朝、残したグラスの香りを確かめてみて、驚愕します。




開けたての複雑さは一変、霧が晴れたかのように消え去り、


それまで後ろにあって見え隠れしていたフルーツの香りが、みずみずしく、力強く立ち上がりました。


まるでグラスの中、ピアノが幸福なメロディを、美しく奏でているよう。




「そうか、ピアノ協奏曲だったのか。」




なぜだか、そう想った事を覚えています。


ワインを飲み干して、第2楽章の途中までしか聴けなかったような感じでした。


(何のピアノ協奏曲だったか? それは秘密。)






ワインに限らず、味わいの構成は、メロディの構成に似ている部分があるのかもしれません。


メロディが変化していくように、グラスの中でワインの味わいと香りも変化していきます。






ワインと音楽。


面白い関係ですね。





(あっ、めずらしく真面目にワインの事を書いてますね。


 このブログをご覧の方と意見が違ったらごめんなさい。)