wine & coffee

「不味いワインはない。 悪いワインがあるだけだ。」


ワイン屋に勤めていた頃、上司がいっていた言葉。


業界に入って間もなかった当時、この言葉に出逢って何かが変わった気がしました。






では良いワインとは何か?


おおざっぱな答えなら、2つあります。


ひとつは土地の個性、そして生産者の情熱が感じられるワイン。


もうひとつは、消費者の嗜好に合わせて造られた、売れるワイン。


もちろん共に品質管理は徹底されている事は前提です。







では美味しいワインは?


最初の言葉の逆説でいうと、良いワインはみな美味しい。




ワイン屋に勤めていた頃、お客様から「美味しいのちょうだい」と挨拶代わりに
言われる度、


「うちの(会社の)は全部美味しいけどな。」


と心の中でつぶやいていた黒い自分を思い出します。










ワインと珈琲。


異なる点も多いですが、通じる点も多いのではないでしょうか。



良い珈琲とは何か? 悪い珈琲とは何か?


その答えは世の中にたくさんの文献が出回っているので容易に導き出すことが出来ます。







それでは美味しい珈琲とは何か。







以前に逆説で考えた事があります。


京都の人は料理を食べて美味しくない時にこう言います。


「味ないなぁ。」


京都人的にいうと、美味しくない珈琲は、味のない珈琲?









それとも読んで字のごとく、美しい味わいの珈琲の事でしょうか。


けれどもただ美しいだけではありません。



香り・味わい・触感・質感・余韻。


そこには印象に残る何かがあります。




そもそも美しさとは何か。


美しさも人それぞれではないかといわれそうですが、


それを言い出すと今度は、人の数だけ美味しい珈琲もあるという事でおさまってしまいます。








それに珈琲との出逢いにもTPOがあるのではないでしょうか。


時と場所、場合のよっても、珈琲の印象はまったく違ったものになるはず。


どんな場面でも、ぶれることなくテイスティングができるような人はそんなにいません。















考え出すときりがない話ですが、


以前ご一緒させていただいたイノダアキオさんはこう言っていました。


「心をこめて淹れてもらった珈琲は、どんな珈琲でも美味しい」


美味しい珈琲とは?


その答えの一つ。












あっ、9/16(火)は臨時休業します。


どうもすみません。