Tchaikovsky Symphony No.5 × Mravinsky
ムラヴィンスキーとレニングラードフィルによる1978年ウィーンでのライヴ録音。
レニングラードフィルの弦は冷たく、透明感があって美しい。
第4楽章の中盤は、その純粋な音の塊が、吹雪のように遠くから迫ってくるような臨場感。
まるでムラヴィンスキーが吹雪をあやつっているかのよう。
こんなに洗練された音楽がこの世にあったのかと、一人仕込みをしながら熱くなりました。
今まで僕が聴いてきたロシアやドイツの指揮者によるチャイコフスキーのNo.5とは、まるで違う音楽。
ムラヴィンスキーのチャイコフスキーには美しいだけではない、私達の知らない厳しいロシアの自然が投影されています。
いやー、名演ですね〜。
個人的にベートーヴェンのNo.5もお薦めです。
ベートーヴェンはよりシンプルなせいか、弦の音の美しさが際立ちます。
ムラヴィンスキーが作る音楽は、どんな音楽でも彼の指揮によるものだとわかる。
それは一流の料理人と同様で、優れたワインや珈琲にも通じますね。