Today's coffee

「まったく同じ演奏に出逢う事は二度とない。


それが音楽を不朽のものにしている。」


あるウィーンのピアニストの言葉。


また別のフランスのピアニストは言っています。


「私の演奏は同じ曲でもその日によってちがいます。


何がちがうかというと、演奏の本質は同じですが、輝きとか、光とかが変化するのです。」


誰の言葉か興味がある方は、店主にたずねましょう。



これらの言葉は、まさしく珈琲にも同じ事が言えるのではないでしょうか。


音楽についてはもっと深い話をしているのであって、珈琲と一緒にしてはならないだなんて、誰に言えるでしょう。


珈琲豆の状態、その日の気候、淹れる人間と飲み手のコンディション、それらの条件が全て同じになるなんて事は、皆既日食みたいなもの。


まったく同じ味に出逢うという事は二度とないのではないでしょうか。





だから当店の珈琲メニューは“本日の珈琲”。




たまに「本日の珈琲って、毎日変わるんですか?」


と聞かれる事がありますが、ごめんなさい。


珈琲の銘柄は一日で変わる事もあれば、2、3日続く事もありますし、店主が気に入ればもっと長く変わらない事もあります。


なんだ、プロのくせに常に同じ味を再現できないのか。


とおもわれる方がいらっしゃるかもしれません。



企業が大量に造る缶コーヒーが好きだったり、


ワインのヴィンテージが変わる事を楽しめないような方には、何を言っているのかわからないかもしれません。


常に70点で一定の味を保って満足するか、それとも100点以上を目指すか。


多くの人が考えている到達点の100点とは、実は70点なのではないか。


ならば日々100点以上を目指して、お客様に珈琲を提供するのが、お店側にとっても、お客様にとっても幸福な事なのではないでしょうか。







何が言いたいかというと、珈琲と真剣に向き合っている者にとって、


珈琲との出逢いは一期一会であるという事。








“本日の珈琲”でその日の出逢いを楽しんでいただけたら幸いです。







話が長くなりましたが、ここからが本題です。


12月6日(日)は14:00〜夕方頃 までお店は貸切になります。


なんだかその日は各地でイベントが盛り沢山ですね。


あれっ、僕の周りだけ?