Tchaikovsky Piano Trio

「僕のお葬式には フランクのチェロ・ソナタ を流して欲しい。」


そんなセリフを妻にカッコつけて言っていました。


この曲を聴くまでは。





ピアノ三重奏曲 〜偉大な芸術家の思い出のために〜





作曲はチャイコフスキー。 


彼の ピアノ協奏曲 第1番 を酷評した事で有名なピアニスト 


ニコライ・ルービンシュタインの訃報に接し、書き上げた曲。





この曲を聴いていると一人の人間の、人生の終末を想います。


特に第2楽章は美しいメロディーがぐるぐる回り、まるで走馬灯のよう。


第3楽章、歓喜に満ちた音楽がピークに達すると、急に現実(短調)に戻され、


最後は心臓の鼓動が止まるように、


ゆっくりと、静かに、音楽は終わる。






レクイエムとは違う。この曲はヒューマニズムである。






なんて、偉そうなことを言っていますが、


「お葬式…。 するかなぁ?」


と今はおもっているので、いい加減なものです。


もしお葬式をするなら、この曲をスーク・トリオのテンポで流して欲しいですね。


(あれっ、いつの間にか公開遺言になってますね。


 それに僕は、偉大な芸術家ではないので、恐れ多いですけど。)






この音楽、時々無性に聴きたくなるのはなんでだろう。


Tchaïkovsky Trio op.50 Richter Kagan Gutman - 5