2011-01-01から1年間の記事一覧

音楽と風景

帰宅ラッシュの時間。 以前に電車の車内で、人々の負のオーラに圧倒された事があります。 電車の中、蛍光灯の光は人々の一日の緊張と、疲れを暴き出すようでした。 蛍光灯の光は明るいのだけど、何だかどんよりと暗い。 「何だろ、こんな時間に乗るんじゃな…

愛の夢

夕方の散歩中、通りがかりの家からピアノの音が漏れていました。 躓き、間違えては、弾きなおす。 夕暮れ時の、何だか幸せなサウンドスケープ。 つい立ち止まって聴き入ってしまいました。 曲は フランツ・リストの“愛の夢” この曲を聴くと、舞踏家 大野一雄…

Leroy & Bach

“ワインの事が知りたければ、香りに聴きなさい” 天才テイスター マダム・ルロワ の言葉。 僕が珈琲を点てる時、いつも心にある言葉。 この言葉は珈琲にも当てはまると考えています。 マダム・ルロワが雑誌のインタビューで、好きな音楽に “バッハの無伴奏ヴ…

皆既月食

今夜は月食。 常連のお客様に教えてもらうまで知りませんでした。 (ニュースはきちんとチェックしなければ。) そんなわけで、久しぶりに夜空を見上げました。 月を見上げていると、 どうして僕たちは月に魅かれるのか。 なんて事を真剣に考えていた思春期を…

金曜の夜は

たまたまテレビをつけると 名作“天空の城 ラピュタ”が。 ジブリといえば金曜ロードショー。 まさに花の金曜日。(ジブリ好きからすればですが) なんて言いつつも、最後まで観ている時間はないので、 最初だけ観ました。 この映画の始まり方。すごくいいですね…

Beethoven frieze

クリムトの“ベートーベン フリース” ベートーベンの交響曲NO.9をモチーフに描かれた壁画。 もう随分前の事。 兵庫の美術館に“ベートーベン フリース”が来た事がありました。 目近に観る“ベートーベン フリース”と、会場に流れる第9の第4楽章。 そのスケール…

Gogh その3

「こんな夢を見た。」 黒澤明監督の晩年の作品“夢” その中にひとつ。 ゴッホに逢う夢。 作品鑑賞中に、作品の中に入りこみ、 耳を切り落としたばかりのゴッホに出逢い、話をする夢。 バックではショパンの“雨だれ”が流れています。 きっと、この夢の空気感を…

Gogh その2

ゴッホの話の続き。 “ワシントン・ナショナルギャラリー展”で観た ゴッホの“自画像”は最晩年の一枚。 背景の青紫に対して、自身を反対色の黄色ベースで描いた、“星月夜”配色。 死を予感させるようで、しかし希望もみえる、そんな何かを感じとりました。 もし…

Gogh

京都市美術館で開催中の“ワシントン・ナショナルギャラリー展”に行ってきました。 お目当てはもちろん、ゴッホの“自画像”でしたが、 期待を上回る充実したラインナップ。 特にモネの“日傘の女性、モネ夫人と息子”は パリで同じ構図の作品に出逢い、 目を奪わ…

食譜

随分前の事。 NHKの爆笑問題の番組で“食譜”の研究に スポットをあてた回がありました。 プロならば、ワインや珈琲のテイスティングで得た味の構成や、 口の中での膨らみ方を、紙面におこす事はあります。 しかし同じワインや珈琲をテイスティングしていても…

sagan

「人は偶然を神と呼ぶ。」 十代の頃読んだ “悲しみよ こんにちは” その中の一小節。 小説の内容ははっきりと覚えていませんが、 この言葉だけは、今も心の中に残っています。 サガンを読む時は、やっぱりブラームスが聴きたいですね。 特にヴァイオリン協奏…

私たちの望むものは。

夏の終わりに帰郷した際、親戚の家に遊びに行きました。 「もうプレイヤーがなくて聴けないから。。。」 と叔父さんにもらったレコード。 ビートルズのホワイトアルバムから、ラヴェルのボレロまで ほとんど処分した後のようですが、 残っていたレコードだけ…

IQ & Mozart

モーツァルトの2台のピアノのためのソナタ。 この曲を聴くと、IQが上がるとか、記憶力が上がるとか、空間認識力が上がるとか。 色々いわれていて何だかよくわかりませんが、とりあえず頭に良いようです。 この事が1990年代の総合学術雑誌 Nature で発表され…

Mariage 

先日、友人の結婚式に参列してきました。 新郎は小学校からの同級生。 当時転校生だった僕が、初めて放課後一緒に遊んだ仲間。 彼はやさしい男です。 光に満ち溢れた、とても素敵な挙式でした。 退場する新郎新婦二人ともが、涙を流している姿が印象的。 す…

拝啓、ジョン・レノン

友人の結婚式に出席する為の帰郷。 実家にて、こたつで寛ぐための家着を探していると、ジョンレノンの Tシャツを発見。 (表面にジョン・レノンが腕組みしている写真、裏面には“イマジン”の歌詞が プリントしてあります。) おもえば“トレインスポッティング”…

Play it Again Sam

「カサブランカ」を観た後に、観たい映画があります。 「ボギー 俺も男だ」 (原題は Play it Again Sam) 主演は ウディ・アレン と ダイアン・キートン 冒頭の「カサブランカ」を観ているウディ・アレンの表情がとても印象的なのです。 「カサブランカ」へのオ…

As time goes by

たまたま入ったお店で“As time goes by”が流れていました。 この曲が耳に入ると、思い出すのは 映画「カサブランカ」。 京都のある映画館が閉館する時、最後に上映したのが「カサブランカ」で 館内にはハンフリー・ボガードと同じ格好をした叔父様達が居たそ…

meditrina VI

ワインと健康の女神“メディトリーナ” シラーにピノ・ノワールとジンファンデルのブレンド。 香りは華やかで、果実味豊か。 なめらかで、コクがあり、バランスがいい。 以前まではピノ・ノワールが主体でしたが、今回はシラーが主体です。 ブレンド比率は年に…

windy

知る人ぞ知る名店。 けれどももっとたくさんの人に知ってもらいたいお店。 普遍的な価値のある豊かな味わいの珈琲と、 ビル・エバンスの“ワルツ・フォー・デビィ”。 珈琲の味に関して、間違いなく京都でトップレベルのお店です。 珈琲が苦手な方にも飲める、…

Brillat-Savarin

“新しい御馳走の発見は人類の幸福にとって天体の発見以上のものである” たしかこの言葉を分かりやすくしたものが、高島屋の袋に書いてあったような。 美食家 ブリア・サヴァラン の言葉。 僕がこの仕事をしているモチベーションの一つ。 この方は珈琲に関し…

小さい秋

大人の町家カフェ HiFi Cafe さんから栗をおすそわけしていただきました。 早くも秋が深まってきましたね。 HiFi Cafe hificafe.exblog.jp/ 寺町の一保堂茶舗さんの裏手にあります。 センスの良い音楽とユルイ空気の中、昼下がりの読書。 美味しい珈琲に癒さ…

Tchaikovsky Violin Concerto

ヤッシャ・ハイフェッツのチャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 素敵な接客と美しい所作で、 いつも勉強させていただいてる Affinage 小嶋さん から頂きました。 Affinage http://affinage-kyoto.com/about.html まるで手に羽が生えているかのように軽やかで…

Tchaikovsky Violin Concerto 2

Affinage 小嶋さんからヤッシャ・ハイフェッツを頂いてから チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を片っ端から聴き比べしてみました。 個人的には今までヘンリク・シェリング盤を聴いてきたので、 シェリングが自分の中で物差しとなっている事を再発見。 そ…

床屋とハンガリー舞曲

タイトルで「おっ、チャップリンだなっ。」と分かった方は映画通です。 チャップリンの映画“独裁者”の中のワンシーン。 独裁者と瓜二つの床屋が“ハンガリー舞曲NO.5”に合わせて仕事をしています。 20歳過ぎ頃の僕は、このシーンのチャップリンの動きにとても…

coffee & wine

珈琲はワインのようになりつつあるといわれています。 ブラジルの豆もただ ブラジル というだけではなくなっているのです。 例えば、ブラジルはカルモ・デ・ミナスという地域の北部にある、〜〜農園の豆。 そこで収穫される珈琲豆は、チョコレートやオレンジ…

spring symphony

先日“スプリング シンフォニー”という映画をDVDで観ました。 邦題は“哀愁のトロイメライ”ですが、原題の“スプリング シンフォニー”の方が この映画にはしっくりくるのです。 始まりはパガニーニ役のギドン・クレーメルがカプリースのNO.17を演奏するシーン。…