coffee & wine

Today's coffee

「まったく同じ演奏に出逢う事は二度とない。 それが音楽を不朽のものにしている。」 あるウィーンのピアニストの言葉。 また別のフランスのピアニストは言っています。 「私の演奏は同じ曲でもその日によってちがいます。 何がちがうかというと、演奏の本質…

Beethoven Violin concerto

最後に胸がドキドキしたのはいつだろう。 胸の鼓動を意識する所からこの音楽は始まります。 胸の高鳴りと共に発展して、大空を駆け巡るような第1楽章。 陶酔的で甘美な第2楽章。 オケとソロの幸福な対話の第3楽章。 ソロがピチカートで応える場面なんて、チ…

お知らせ

「ふるさとの訛りなくせし友といて、モカ珈琲はかくまで苦し。」 寺山修二の“空には本”の中から。 モカって酸味が強いイメージだけど、苦い珈琲でしたっけ? 標準語で話す郷里の友人と飲んだ珈琲が、深煎りのモカで苦く感じたということなのでしょうか? お…

Whistler × 京都国立近代美術館

映画「ライムライト」の中のワンシーン。 夜遅くに酔っぱらって帰ってきたチャップリンが、ヴァイオリンを弾こうとしてこう言います。 「ノクターンなら大丈夫。」 いや、近所迷惑でしょう。 とツッコミをいれるところなのかもしれませんが、妙に納得した覚…

デミタス コスモス × 細見美術館

デミタスコスモス展に行ってきました 細見美術館は久しぶり。 随分前、「ノリタケ展」に行って以来でしょうか。 この器にはどんな珈琲がふさわしいかなぁ。 この器はどんなお客様にサーブしたら似合うだろう? あぁ、これ欲しいなぁ。 なんて事を考えながら…

wine & coffee

「不味いワインはない。 悪いワインがあるだけだ。」 ワイン屋に勤めていた頃、上司がいっていた言葉。 業界に入って間もなかった当時、この言葉に出逢って何かが変わった気がしました。 では良いワインとは何か? おおざっぱな答えなら、2つあります。 ひ…

Balthus × 京都市美術館

先日バルテュス展に行ってきました。 ワインが好きな方なら、絵画に興味のない方でもこの名前は知っているのではないでしょうか。 そう、ムートンのラベルを描いたあのバルテュスです。 バルテュスの描いたムートンのラベルの画が問題になり、アメリカでは輸…

3B

3Bといえば、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。 音楽のバッハ、ベートーヴェン、ブラームス? それともイタリアワインのバローロ、バルバレスコ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ? どれも偉大ですが、重要な事は、私達に対して平等であるということ…

コーヒーサンデー

このところブログの内容が偏っていたので、 たまにはこんな軽い話題を。 コーヒーサンデー ¥700 当店で最もお客様のリアクションが良いのはこれなのです。 甘くて苦い、大人のデザート。 想像してたよりも美味しかったと仰っていただけたら幸いです。 あ…

Mozart Violin Sonatas

3月と4月はモーツァルト強化月間。 と店主が勝手に胸の内に秘めていたので、 お客様の御来店時にはモーツァルトを聴く機会が多かったのではないでしょうか。 あっ、おおっぴらにうたったりしませんよ。 「モーツァルトじゃなくてバッハが流れてるじゃない…

Brahms Violin Sonata No.2

「僕は2番が好きだな。」 「何の事?」って、 ツッコミされそうな始まりですが、ブラームスのヴァイオリン・ソナタの話です。 交響曲第4番を書き終えた後、ブラームスはスイスの湖の近くで夏を過ごし、 一人、静けさの中で作曲をしたそう。 その頃に作曲され…

Brahms Symphony No.1

ブラームスの交響曲第1番に幸福を想う。 夕御飯の後、ちゃぶ台の上に残されたひじきをつまみながら、 子供が遊ぶのを眺めていた時の事。 流していた第2楽章の終わりのヴァイオリン・ソロを聴いて想いました。 「あっ、幸せだ」 幸福とは様々な事が作用して…

Beetoven Piano Sonata No.30 & 31 & 32

ベートーヴェン後期のピアノ・ソナタはやさしい。 若い頃のベートーヴェンの、エネルギッシュな感情表現とはどこか違う。 溢れ出るようなメロディは、美しさとはかなさ、幸福感と喪失感があって、 やさしいのです。 あっ、2回言いましたね。 人生にとても疲…

Brahms Double Concerto Andante

亡くなった栽培家の飼い主を探して、夜な夜な畑に現れるねこ。 そんな葡萄畑で生まれたワインがあります。 エチケットには、ねこと月。 見た目で買ってしまいますよね〜、ねこ好きとしては。 葡萄品種はネレッロ・マスカレーゼとネロ・ダヴォラのブレンド。 …

京都の喫茶店

文学と映画とダンスに傾倒して、 お酒に呑まれているのが楽しかった学生時代の前半。 カナート前の高野川で水に足をつけていたら、あくる日に水虫になったりもした二十歳の頃。 “京都カフェ案内”という本に出逢いました。 装丁がお洒落で、内容はカッコ良く…

コーヒーはおともだち

当日はあいにくの雨でしたが、 お越しいただいた皆様、どうもありがとうございました。 イベントは終始和やかな雰囲気で、 お客様だけでなく、僕たちもとても楽しめました。 イノダ アキオさん、B・B+mさんに感謝です。 http://coffeetootomodachi.blogs…

コーヒーはおともだち

コーヒーをテーマにしたかわいい小冊子“コーヒーとおともだち” そんな“コーヒーとおともだち”から、イベントのお誘いです。 http://coffeetootomodachi.blogspot.jp/ コーヒーはおともだち ●「アキオさんのコーヒーのおはなし」の時間 「イノダコーヒ」で長…

地下室の手記 

「一杯の茶のためには、世界など滅びていい。」 ドストエフスキ−の“地下室の手記”の中の一節。 20代前半に初めてこのくだりを読んだ時、お茶のもつ可能性を知りました。 まぁ、“地下室の手記”は極端なシュチエーションですが。 「世界と一杯のお茶を天秤にか…

Schumann Piano Concerto

「シューマンは明確にとびこえた」 えっ、何を? と想った方には、吉田秀和さんの“主題と変奏”をお薦めします。 僕はシューマンが好きで、この本を読んでからは自分のシューマン好きを肯定するようになりました。 シューマンはピアノ曲が多いので、普段お店…

コーヒーとおともだち

先日 B.B + m さんから、かわいい小冊子が届きました。 “コーヒーとおともだち vol.1” http://coffeetootomodachi.blogspot.jp 前回の準備号(vol.0) からさらにグレードアップ。 かわいくて、楽しくて、どこかなつかしい。 あたたかみのある一冊です。 本っ…

Long Vacation

先日、途中までですが、かの名作ドラマ“ロング・バケーション”を観ました。 (昨年再放送していたものを録りためていたのです。) お洒落でカッコいい主人公達の生活。 このドラマでルームシェアという言葉を知りました。 十代の頃、リアルタイムで観た当時は…

Wine is music

ワインとは音楽である。 ワインに興味を持って、少しだけ踏み込んだ人はよく耳にする言葉ではないでしょうか。 「私にとって1本のワインは交響曲であり、 1杯のグラスワインはメロディのようなものだ。」 有名なフィリップ・ド・ロートシルト男爵の言葉。 ワ…

モダン・タイムス

“モダン・タイムス” 高校の英語の授業で観たのが、この映画との出逢い。 (英語の授業なのにサイレント映画を観せるなんて、今おもえば粋な先生ですね。) この映画が作られたのは、約80年前。 もしも今の時代をチャップリンが生きていたならば、 “モダン・タ…

ワインの飲み頃 その2

「ワインの飲み頃を決めるのはお客様である」 それが前回の答え。 美味しいと感じる味わいの幅は人それぞれ。 渋みの印象的な若くて力強いワインが好きな方もいれば、 穏やかで、エレガントな酸味のワインが好みな方もいます。 渋みを拒絶する人には、うまみ…

ワインと飲み頃

ワイン屋に勤めていた頃の話。 納品先のお客様から、 「このワインの飲み頃はいつですか?」 と尋ねられた事があります。 銘柄は ジュブレ・シャンベルタン 生産者は 今は亡きドニ・モルテ 、ヴィンテージは2004年。 それはまだ造られてから、そろそろ3年経…

Tchaikovsky Serenades for strings

ワインの試験勉強をしていた頃、いつも聴いていた曲があります。 “弦楽セレナード” 作曲はチャイコフスキー。 特に一次試験直前の真夏日には、ただただ何度も繰り返し聴き続けていたように記憶しています。 その頃の僕は、クーラーのない長屋に暮らしながら…

Wine Grocery 30th Anniversary

京都を代表するワイン専門店 ワイングロッサリー さんが今年で設立30周年。 そして4月から、まさきこさんが社長就任。 おめでとうございます。 先日、全日空ホテルで開かれた、ワイン業界に向けたお披露目会(?)には、 元スタッフという事で、僕のような若…

Goldberg Variationen & Glenn Gould 2

“演奏は恋愛である。” ある時から演奏会をしなくなったグレン・グールド。 彼の鼻歌混じりのデートが聴けるのが “ゴールドベルク変奏曲 1981” 前作から26年。 若き日の録音は、若き日だったからこその名演奏で、 こちらは晩年だからこその名演奏。 眠れぬ夜…

The Munch

想像を超える珈琲が飲める店“ミュンヒ”。 こちらのお店は珈琲の究極と呼べるものをいくつか体現されています。 松尾芭蕉の時代の古伊万里で、名物“スパルタン”をサーヴしてきた時には、 一瞬言ってる意味がわからず、目が点になりました。 一杯に50分かける…

All you need is love

料理の仕方は家庭ごとで千差万別。 珈琲も同様。 ペーパー? ネル? フレンチプレス? それともサイフォン? 様々な抽出方法は、それぞれに良さがあります。 自分が美味しいとおもう抽出方法が一番です。 (珈琲を飲む時は味だけでなく、演出も大事ですから。…